大好きな有栖川有栖さんの短編集。ややホラーテイストです。
有栖川有栖さんの作品は、とても読みやすいのだけど、ところどころドキッとするような表現があったり、心に刺さるような言葉があったり、ものすごく奥の深い小説だと思っています。
私は火村シリーズが好きなので、そればかりを読んでいたのですが、ようやく(?)他の作品にも手を広げてみようかと思い、この作品を読みました。
なんともいえず、不思議な短編集ですね。
推理小説じゃないし、単なる小説でもないし、ちょっとホラーチック。「殺しにくるもの」なんて、最後のページで思いっきりどきっとしましたよ。
一人で夜中に読むのはちょっと怖い。実際、夜読んでいたから、怖かった。
どれもそれぞれが雰囲気の違う作品で面白かったのですが、私は「奇骨先生」が好きです。
作家というとちょっと取っ付きにくい人や変わった人、個性的な人が多いように思われますよね。奇骨先生もちょっと怖い感じの人ですが、最後は心温まる締めくくりになっていて、何だか気持ちがほんわかしました。
あー、もっと早く読んでおけば良かったなあと思いました。すごく面白かったから。
有栖川作品は、推理の面白さはもちろんなんですが、私はそれぞれの登場人物のキャラクターがすごく好きなんですね。
主役以外の脇役たちもすごくいい味出している。
たまに「こんな人とお友達になりたいなあ」と思ったりもします。それぞれの登場人物が生き生きしているから、ストーリーにどんどん引き込まれていくのかなと思います。
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